新型インフル向けワクチン234万人分、今月末に期限切れ(産経新聞)

 新型インフルエンザの流行が下火となる中、スイス・ノバルティス社製の輸入ワクチン234万人分が今月末、使用期限を迎える。月内に使われなければ、廃棄される初の新型ワクチンとなる。ワクチンは国産と輸入を合わせると約1億3千万人分が余っており、今後も使用期限が来れば順次、廃棄される。危機管理として輸入分だけで1126億円もの公費が投入されただけに、国の判断には検証を求める声も出始めている。(蕎麦谷里志)

 厚生労働省によると、今月9日までに新型ワクチンを接種した人は約2300万人。ほぼ全員が国産ワクチンを接種した。当初は、接種希望者が殺到し「足りない」と混乱した新型ワクチンだが、結果的に接種したのは国民の約18%。約30%が接種する季節性インフルを大きく下回った。

 最大の原因はワクチン供給のタイミングが新型流行に間に合わなかった点にある。さらに、2回接種の予定が途中で原則1回に変わったことも、ワクチン余剰に拍車をかけた。

 その結果、現在は国産約3100万人分と輸入約9900万人分の計1億3千万人分が余った状態となっている。

 ワクチンにはすべて使用期限がある。短いのがノバルティス社製で、製造から半年間。それぞれ製造時期が異なるため、今月末に234万人分が期限を迎え、今夏には同社の2500万人分がすべて使えなくなる。国産は使用期限が半年と1年のものがあり、今年4月から順次、期限切れが出始める。

 輸入ワクチンの残り7400万人分をしめる英・グラクソ・スミスクライン(GSK)製のワクチンは使用期限が1年半と比較的長め。厚労省は「再流行した場合や来季にも使える」と期待する。しかし、来季は季節性と新型を1本に混合した新しいワクチンが登場するため、新型だけのワクチンを接種する人は限られる可能性が高い。

 厚労省では現在、輸入ワクチンについてメーカー側と一部を契約解約できないか交渉中。すでにドイツやノルウェーなどはGSKと契約したワクチンの約3割を解約することで合意している。

 ワクチン輸入に使われた税金は1126億円。厚労省は「危機管理上の判断だった」と強調している。ただ、元北海道小樽市保健所長で、インフルに詳しい外岡(とのおか)立人(たつひと)氏は「今回のように季節性と毒性が大きく変わらない新型インフルで、これほど大量のワクチンが必要だったのか。今後の検証が必要だろう」と話している。

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